暇半桃花鳥’S LOKA!

露悪趣味で見栄っ張り

ぼくがドラマでなく、アニメを見る理由。-ドラマって見るのがしんどいのです。

わたしは、ドラマを見るのがしんどい。

 

それには、さまざまな理由があるし、いろいろな理由をつけられるとおもうんだけど、主たるのは、次の2つなんだとモウ。

 

1.リアル過ぎて、じぶんと比較してしまい、ドンヨリする。

2.氾濫する人の表情を読まないといけないので、つかれる。

 

 

1.の理由は、まあ、説明するまでもないとモウ。

なので、2.についてちょっと思うところを書いてみたい。

 

 

われわれには、行動から当人の心理状態を読み解く、「素朴心理学(folk psychology)」という能力がそなわっている、という話がある。(これは、心理学ではなく、つまり、科学ではないことに注意してください。というのも、それは例外を説明しないためです。たとえば、現実に「石がいきなり上昇しだした」という事態があったならば、科学では、「なぜだ?どういう理論で説明できるんだ?」となります。しかし、素朴心理学では、それに当てはまらない人は、ただの「例外」として扱われます。「あれー?こいつ、おなか減ったとかいったのに、目のまえにある料理を全然食べないぞ?ま、そういうこともあるわな」といったように。)

 

素朴心理学(科学ではない)の習得程度には、生まれつき程度差があります。

表情や行動から直感的にかなりの程度あいての心的状態をくみ取ることができるひともいるし、ぜんぜんカラッキシというひともいます。

ただ、ひとというのは、ある程度「ああいうときは、こうだよね」という類型が成り立つように教育されてますし(「じぶんの言ったことには責任を持ちなさい」のように。)、そもそもあまりに内面を読まれない個体というのは協力関係・協同関係を形成できないので、自然淘汰されています。

なので、ひとの行動と内面は、だいたいは類型化できるようになってます。そのため、直感的にあいての心を読めない人でも、ある程度は「推論」で補うことができます。

これは、最初は意識的な推論であったかもしれませんが、新しい言語を理解するときに推論をしなくなるように、だんだんと、自動に自然に行われるようになっていきます。つまり、「表情」という言語を習得していくのです。

 

翻って、ドラマですが、あれは、この「推論」という過程を意図的にやらねば見ることができない作品が多いのです。

もちろん、生まれつき高い程度の素朴心理学スキルを有っているならば、なんなく横溢する表情を処理できるでしょうが、わたしは、どうやら、どちらかというと後天的に学んだタイプなので、どうも、スッとひとの感情と行動とストーリーのつながりを飲み込めないことがあります。

たとえば、綿亙する一つ一つの俳優さんの表情から、「さっきのシーンの表情ははヒロインを奪われそうになって嫉妬していた。ということは、次のこの同性に対する剣呑な表情は、さっきの嫉妬を表しているんだな」というように、一つ一つに意味をもたせなければなりません。

多くのドラマは、人の感情の推移で話が進んでいくので、意図的に作られた表情を読み解くことを求められます。読めないと、話がわかりません。

そして、その「表情読み」を行うとき、「この俳優は、どの程度表情をうまく表現できるのだろうか」とか「この笑っている表情は、ストーリー的に、実は悔しいってことになっているのではないか?」などなど、ひとの表情を絶えず分析・処理することになって、つかれるのです。うーん、しんどい。

 

たいして、アニメであれば、表情の読み解きは簡単です。なぜなら、漫画の「漫符」のように、記号の集積を読み解けばいいからです。

楽しいときはこの記号。悲しいときはこの記号。実際は悔しいんだけど表面的に飄々とふるまっているときはあの記号、といういうようにかなりの程度のお約束があるので、処理していくのが簡単なんだと思います。

また、声優さんも、「声音」でかなりオーバーに感情を表出してくれますから、感情を追うのが簡単です。「声情」といってもいいかもしれません。(私たちは、視覚がもっとも多くの真理を与えてくれるのだと考えがちですが、それは決して普遍的なことではないとモウます。なんせ、あのアリストテレスが「視覚サイコー」みたいなことを言っているくらいなので(『形而上学』の冒頭)、由ある誤解だとはモウますが、視覚だけがわれわれの情報入手の経路ではありません。このことは、たとえば『マルクーハン理論-電子メディアの可能性』平凡社ライブラリ,pp.58~でも指摘されています。)

アニメは、このように感情の推移がわかりやすいので、楽しくストーリーを追うことが来ます。

 

 

わたしには、外で人と会った後に、また家でも人を見るというのが、しょうじき苦痛です。なので、アニメをみるのです。

 

ああ、なんでこんなに人間っているんだろう

 

 

どうしようも、ない。